MEDITATION and CONTEMPLATION 「メディテーション」 と 「コンテンプレーション」について全文

MEDITATION and CONTEMPLATION

私たちは常にストレスを受けて生きています。
気候や騒音や臭いなど環境からもストレスを受けます。
天から注ぐ陽の光も、呼吸する空気もストレスになります。
特に人との関係でストレスが生じます。
家庭内でも、学校でも、職場でも、ちょっと買い物などに外出しても、社会生活のなかであらゆる面からストレスを受けて生きています。
適度なストレスは、やる気の原動力にもなり、記憶力を向上させたり、また、脳の活動を活性化させたり、そもそも人を強くするので生きていく上で多少のストレスは必要なのですが、それが過度になると問題を起こしてしまいます。

ストレスは脳のなかの扁桃体というところから「ストレスホルモン」と呼ばれるコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンなどのホルモンを分泌させます。これらの「ストレスホルモン」は自律神経のバランスを乱してしまい、私たちが自分たちの意思ではコントロールのできない自律神経の交感神経が活発になりすぎ、免疫力を低下させ、病気を発症させてしまいます。

また、私たちが呼吸して体内に取り入れる空気に含まれる酸素は、酸素以外のものにくっついて酸化させる働きがあり、体内に入るとより酸化作用の強い活性酸素というものになります。活性酸素は、免疫機能の一部として体内に侵入したウイルスや細菌を攻撃する血液中の白血球の武器として使われ、日々体内で発生するガン細胞を破壊したり、体内で余った水素と結合して水にしてくれたりよい働きをしてくれます。ところが、その免疫機能の一部として働く活性酸素が大量に発生すると今度は正常な細胞まで酸化させてしまいます。すると疲れやすくなったり、動脈硬化や老化現象を早めたり、さまざまな病気を発症させたり、さらに細胞の奥深く入り込んでDNAまで攻撃し細胞をガン細胞に変質させてしまうのです。ストレスを受けると血流の流れが一次的に悪くなり、その流れが元に戻るときに活性酸素が発生します。これをたえず繰り返していると酸化がどんどん促進されてしまうので、過度なストレスを発生させないことが大切です。

脳のなかに間脳という部分があり、その間脳に「松果体」という器官があります。「松果腺」ともいうその8mmほどの小さな器官は「松ぼっくり」の形に似ているので「松果体」や「松果腺」と呼ばれるのですが、英語でも「pineal gland・松の実の形をした腺」といいます。「腺」とは動物の体の器官のうち分泌活動を行う細胞の集まりのことです。

この「松果体」から、約24時間の周期で変動する生理現象の「概日リズム・circadian rhythm」、いわゆる「体内時計」を調節するホルモン「メラトニン・melatonin」が分泌されています。この「メラトニン」は「セロトニン・serotonin」というホルモンが変化して夜間つくられ、朝日を浴びると分泌が止まり、朝日を浴びてから約15時間後の午後8~9時以降また徐々に分泌が始まって睡眠を誘います。「メラトニン」の材料「セロトニン」は「トリプトファン」という必須アミノ酸からつくられ夜が明けて太陽が昇ると分泌が活発になります。トリプトファンは必須アミノ酸なので体内では充分な量が合成されず、私たちは食べ物から栄養分として摂取しなければなりません。「メラトニン」は「体内時計」によりコントロールされているのですが、朝日を浴びないと「体内時計」は毎日少しずつずれていき夜間あまり「メラトニン」が分泌されなくなります。つまり昼間に「セロトニン」、そして、夜間に「メラトニン」の分泌とその循環をよくするために朝日を浴びることがとても重要なわけです。ただ、朝日といっても直接陽を浴びる必要はなく、カーテンを開けて明るくするだけで充分です。

「セロトニン」は、好きなことや楽しいことをしているときなど「幸せな気分」を味わっているときに分泌され、また、そのような「幸せな気持ち」をつくる「幸せホルモン」ですが、その「幸せホルモン」の「セロトニン」からつくられるよい睡眠には欠かせない「メラトニン」が心身の健康をコントロールする「体内時計」のリズムを調節するわけですから「セロトニン」と「メラトニン」は大切なホルモンなのです。

「セロトニン」は楽しい気分のときに分泌される「幸せホルモン」ですが、この「セロトニン」が減少すると反対に「うつ病」を発生させてしまいます。
「セロトニン」は気分が大きく関係しているホルモンで、その分泌を促すには「笑いの多い生活」が一番です。
何しろ「笑い」もふくめ「ポジティブな気持ち」が「セロトニン」の分泌を促し、その反対に怒ったり、憎んだり、妬んだり、嫉妬したり、意地悪したり、不平や不満、心配や不安でいたり、また欲張るなどの「ネガティブな気持ち」はストレスを発生させ「セロトニン」の分泌を減少させてしまいます。ただ、そうはいっても、気づかぬうちに発生するストレスで乱れてしまった自律神経を整えるのはそう簡単ではありません。リズム運動が「セロトニン」の分泌を促すため、ダンスを踊ったり、ウオーキングなどリズムのある運動は有効です。そして、何といっても呼吸を整え、気持ちを鎮め、考えることや想うこと、湧き出る感情を止め、脳に溜まってしまったゴミを掃除する「メディテーション」がとても有効です。ただ、この「メディテーション」という言葉の正しい意味をまずは理解することがとても大切です。

「meditation・メディテーション」、日本語で「瞑想」、よく「何かに心を集中させること」「精神を統一すること」などと解釈されますが、Meditation is a state of thoughtless awareness. It is not an act of doing、つまり「thoughtless・思考の働きを止めている状態」を「awareness・気づいている意識状態」のことなので、「メディテーション」とは「思考の働きも感情の働きも止めてしっかりとした意識のある気づきの状態にいる」ことです。 つまり「メディテーション」とは「思考や感情に囚われないしっかりとした意識のある状態」のことなので、私たちが普段いる「思考や感情に囚われた曖昧な無意識の状態」になっているのではないということです。
「メディテーション」とは、「何かに心を集中させる」「精神を統一する」や「エクササイズ」など何かを行う「行為」ではなく、「意識の状態」のことなので、どんなことをしていようが、その人が「この状態」にいるのか、または「この状態」にいないのか、どちらかしかないということです。
一日中オフィスで働いていたり、畑で土仕事をしていたり、工場で重労働をしていても「メディテーション」の状態にいることもでき、また、いくら人里離れた山奥の洞窟で「蓮華座」を組んで座っていても「メディテーション」から程遠い人もいるのです。「meditation・メディテーション」は「行為」ではなく「意識の状態」のことです。「メディテーション」が「瞑想」と訳されているのは、「メディテーション」という意識状態にいることが「瞑想」だからです。30分や1時間かけ蓮華座に座っていることが「瞑想」ではありません。意識が「メディテーション」にあることが「瞑想」ということです。
つまり、「瞑想」は30分や1時間行うものではなく、1日24時間「瞑想」にいたいものです。「瞑想」は意識状態のことで、これが「メディテーション」の本当の意味なのです。

「meditation・メディテーション」に対し「contemplation・コンテンプレーション」という言葉があります。
「contemplation・コンテンプレーション」は「meditation・メディテーション」で、つまり「メディテーション」の意識状態で、自然の摂理・the law of nature、万象を支配している理法、この宇宙や宇宙の外に存在するすべてのものを創る「何か偉大なるもの・Something Great」、私たちを超えた私たちの測り知り得ない「偉大なる力・The Great Will」、アメリカ先住民のいう「偉大なる精霊・The Great Spirit」を少しでも感じ取ることで、これは宗教的な意味合いのない「祈り」のことです。「祈り」とは、「すべてを有りのまま受け入れる」気持ちと、「感謝」の気持ちを持つことです。

「メディテーション」も「コンテンプレーション」も日本語では「瞑想」となりますが、つまり、その真の意味を知った上で「瞑想」という言葉を使うといいと思います。簡単なことですが、この意味を理解して「瞑想」を試みるのと、理解せず「瞑想」に取り掛かるのとでは大きな隔たりが生じてしまうからです。この簡単な意味をふまえた上で、脳に溜まったゴミを掃除する「メディテーション」は、老若男女問わず心身の健康にとてもよく、特に「Anti-aging・アンチエイジング」「Prevention of Dementia・痴呆症予防」にとても有効です。

また、松果体に明るい光があたって光に包まれるイメージをする「Light Vision Meditation・ライト ヴィジョン メディテーション」という簡単な黙想を行うと、松果体のメラトニン分泌を促し、体内時計のリズムを調節して免疫力を高め、ポジティブな気分になり、心身の健康、アンチエイジング、特に認知症予防などにとても有効なことは科学的にも実証されています。

Cucuri Cultureでは、インストラクターが「人の意識」についてのお話しをし、「メディテーション」は人の意識について欧米で長年にわたり取り組んできたインストラクターの考えから英語中心で進められるため、異文化的なムードのなかで簡単な英会話のレッスンともなり楽しく和やかなひと時を過ごせるものです。

「Meditation・メディテーション」さらに「Contemplation・コンテンプレーション」を日々の生活に取り入れることこそ私たちの若さを保つ秘訣であり、これからの高齢化社会でいつまでもしっかりとした頭と心を持って元気に生きていくための最も有効的な健康法の一つです。

Cucuri Culture インストラクター Minorou

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